当院の予防接種
当院では、インフルエンザワクチン、大人向けの成人用肺炎球菌ワクチン、小児の定期予防接種、任意の予防接種といった国内で施行可能な各種の予防接種を行っています。インフルエンザワクチン接種についてはお問い合わせが多いため、専門ページを設けています。
できる限りの予防接種対応をいたしますので、まずはお気軽にご相談下さい。
なお、在庫を常備していないワクチンもありますので、お電話で在庫の確認やご予約をいただくことを強くお勧めいたします。
予防接種とは
感染症の原因となる細菌やウイルスの病原性を弱める、あるいは無毒化して作られたワクチンを接種することで、タンパク分子の抗体ができ、それ以降、その病原菌が体内に入ってくるとその抗体が結合して体外に除去するようになります。これにより特定の病気にかかりにくくし、その病気にかかっても重症化せず軽い症状で済みます。
小児の定期予防接種
予防接種法という法律に基づいて市区町村が主体となって実施する予防接種です。在庫を確保しておく必要がございますので、事前にお電話でのご予約をお願いいたします。
- ジフテリア
- 百日咳
- 破傷風
- ポリオ
- 麻疹
- 風疹
- 日本脳炎
- BCG
- 小児肺炎球菌
- Hib
- B型肝炎
- 子宮頸がん
※母子感染予防を除くB型肝炎の予防接種は、2016年10月より定期接種になりました。
四種混合(DPT-IPV) | ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ |
---|---|
三種混合(DPT) | ジフテリア、百日咳、破傷風 |
二種混合(CT) | ジフテリア、破傷風 |
任意の予防接種
予防接種法で規定はされていませんが、病気予防に関する重要性が高い予防接種です。
- インフルエンザ
- おたふくかぜ
- 水痘
- A型肝炎
- 成人肺炎球菌
- ロタリックス
- 狂犬病(海外留学や旅行で必要な方に対応いたします。費用は¥15,000(税別)です。)
※RSウィルスの予防ワクチン『シナジス』につきましては、呼吸器感染症のリスクが高い患者さんに限定するため、接種できる条件が厳しく定められています。RSウィルスをはじめとした呼吸器感染症を発症するリスクの高い患者さんは、症状悪化時の入院を含めた体制が整っていることが大切と考えます。まえだファミリークリニックでは、『シナジス』につきましては基幹病院で接種されるのがベストと考えますため、当院では接種は行っておりません。何卒ご了承下さい。ただし、近隣の基幹病院にてご出産されたことがなく、受診もされたことのないお子さんで接種をご希望の方には、当院から連携基幹病院に紹介状を作成して接種を依頼することは可能ですのでお気軽にご相談下さい。当院の連携基幹病院の中では埼玉県和光市の国立病院機構埼玉病院小児科(院長の大学の先輩ドクターが乳腺外科におり地域連携にも関わっておりますので、地域の中では一番紹介がしやすい病院です)、板橋区の帝京大学病院小児科、日本大学板橋病院小児科、東京都保健医療公社豊島病院小児科、練馬区の練馬光が丘病院小児科で接種が可能です。
任意予防接種の種類・対象年齢および接種回数
水痘(水ぼうそう) | 1回 | 1歳~ |
---|---|---|
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) | 1回 | 1歳~ |
インフルエンザ(季節性・新型) | 1回~2回 | 1歳~ |
B型肝炎(母子感染予防) | 3回 | 0歳~ |
肺炎球菌ワクチン
肺炎は細菌やウイルスなどの感染によって肺に炎症を起こす病気で、免疫力が落ちている時にかかりやすくなります。特に高齢者の肺炎は大きな問題となっており、平成28年の厚生労働省の人口動態統計では肺炎で亡くなる方の97%以上が65歳以上となっています。肺炎は重症化した風邪のように考えている方が多いのですが、日本人の死因としても肺炎は長く上位を占めていることから、予防接種をすることは重要とされています。
高齢者の肺炎球菌ワクチン接種
肺炎はさまざまな細菌やウイルスによって起こりますが、原因菌として最も多いのは肺炎球菌です。成人の肺炎は20~40%が肺炎球菌によるものとされているため、肺炎球菌のワクチンは肺炎予防に有効です。ただしすべての肺炎がこのワクチン接種で防げるわけではありません。肺炎予防には肺炎球菌ワクチン接種に加え、口内細菌の誤嚥による肺炎予防のためにむし歯や歯周病の治療を受け、口腔内の清潔を保つことも重要です。
肺炎球菌ワクチン接種は5年間ごとに
インフルエンザワクチンと違い、肺炎球菌ワクチン接種の有効期間は5年ほどありますので、効果的に予防するためには、5年の間隔をあけて摂取することが望ましいとされています。定期的に健康相談ができるかかりつけ医があれば忘れずに受けるために役立ちます。なお、肺炎球菌ワクチン接種は、摂取した部位の赤み、腫れ、熱感、痛みなどが現れることがありますが、数日で治まります。ただし、発熱や倦怠感などの体調変化が起こった場合はすぐに摂取した医療機関までご連絡下さい。
インフルエンザワクチンとの併用接種
インフルエンザに罹患して免疫力が落ちて肺炎を起こすことがよくありますので、肺炎球菌ワクチン接種とインフルエンザワクチン接種を行うことは効果的な肺炎予防につながります。特にご高齢の方の場合、併用接種が推奨されます。
成人用肺炎球菌ワクチン接種が推奨される人
- 65歳以上の方
- 養護老人ホームや長期療養施設などに居住されている方
- 免疫力を低下させる慢性の持病(COPDなどの呼吸器疾患、糖尿病、慢性心不全、肝炎や肝硬変などの慢性肝疾患)がある方
など
※平成26年10月から、高齢者を対象とした成人用肺炎球菌ワクチンは予防接種法に基づいて市町村が実施する「定期接種」になっています。市町村の契約医療機関や保健所で対象期間内に接種を受けると、公費の助成が受けられます。ただし5年ごとの接種ですので、定期接種の対象となる方は生年月日によって毎年異なります。くわしいことはお住まいの市区町村にご確認下さい。
予防接種を受けられない/注意が必要な方
予防接種は、体調などにより受けられないことがあります。乳幼児の場合、定期接種や任意接種がかなり多いため、スケジュール管理が重要ですので、ご相談ください。
下記の症状があったら予防注射を受ける前にご相談下さい。
- 37.5℃以上の熱がある
- 重い急性疾患を起こしている
- 心臓病、腎臓病、肝臓病、血液疾患などの治療を受けている
- ワクチンに含まれる成分(鶏卵や安定剤など)に対するアレルギーがある
- これまで予防接種後2日以内に発熱や発疹、じんましんなどのアレルギー症状が出たことがある
- これまでにけいれんを起こしたことがある
- 過去に免疫不全の診断を受けた、また先天性免疫不全の近親者がいる
など
※他にもご心配があれば必ず事前に医師へご相談ください。
なお、接種を受ける前に、予診票をしっかり読んでください。
予防接種を受けた後のご注意
接種後30分
急な副反応が起こる可能性があるため、院内で過ごしていただくか、すぐ院に戻れる場所で過ごしてください。副反応については下記でご説明しています。
接種後1時間
体調変化に気を付けてお過ごしください。
ご帰宅後の変化
摂取した部位に痛みや熱感があり強く腫れが起こった場合、じんましん、嘔吐、顔面蒼白、低血圧、高熱などが起こった場合にはすぐにご連絡ください。
入浴など
入浴は可能です。ただし、注射部位を揉んだり、強くこすらないようにしてください。また、激しい運動や飲酒は控えてください。
ワクチン接種の副反応
接種部位の赤み、腫れ、硬くなるなどがみられることがあります。また全身症状として、発熱や頭痛などが起こる場合もあります。
また発生頻度は数十万~数百万接種に1例程度ととてもまれですが、下記のような副反応が起こる可能性もあります。万が一、こうした副反応が現れたら速やかに医師の診察を受けてください。
ショック、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎・脳症、脊髄炎、視神経炎、ギラン・バレー症候群、けいれん、肝機能障害、黄疸、喘息発作、血小板減少性紫斑病、血小板減少、血管炎(アレルギー性紫斑病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、白血球破砕性血管炎など)、間質性肺炎、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、ネフローゼ症候群など