医院名:まえだファミリークリニック 住所:〒175-0092 東京都板橋区赤塚3丁目9−1 電話番号:03-3979-0901

高血圧症

高血圧症外来

高血圧症外来お一人おひとりの患者様に合わせた治療を大切にしています。減塩や運動習慣などの生活習慣改善は、治療法や生活習慣をカスタマイズした方が効果を出しやすいからです。血圧が高い状態を解消して血管への負担を下げることが最も重要ですから、生活習慣の改善だけでなく薬物療法も必要があると判断されれば、十分な説明の上で薬物療法も適切に行います。当院では頸部動脈硬化の状態を超音波検査などの精密検査でより適した治療ができるよう心がけています。
ただ、高血圧症の治療は一度続けたら一生やめられないということは言えません。生活習慣改善効果により血圧が十分に下がれば薬の量を減らし、お薬を卒業できる場合もありますし、漢方などより安全性の高い治療に切り替えていくことも可能です。
また、当院では、治療開始時には他の病気の症状として高血圧が出ている可能性(血圧を上げる病気があるために高血圧になる二次性高血圧の存在の有無)、そして高血圧の合併症(腎機能低下・心不全など)がないかについても血液検査などで十分に調べます。治療を受けているのに血圧がなかなか下がらない場合も1度ご相談にいらしてください。

高血圧症とは?

高血圧症日本では高血圧症の患者数が約4,300万人とされています。血圧は環境やお気持ちに大きく左右されるため、診察の際に測ると家庭での数値より高めに出る傾向があります。そのため、検診や診察で計測する場合は140/90mmHg、家庭で計測する場合は135/85mmHgを超えた場合に高血圧とされます。この数値を超えると、脳卒中、心筋梗塞、血液透析につながる慢性腎臓病などの血管疾患に将来かかるリスクが上昇することがわかっています。ただし、高い数値が1回だけ認められたら高血圧症というわけではありません。高い血圧が続いている状態が高血圧症ですから、検診などで高血圧を指摘されたら必ず内科を受診されることをお勧めします。

高血圧症の主な種類

本態性高血圧症

さまざまな原因によって起こるタイプで、高血圧症全体の約90%を占めているとされています。遺伝的な要因、加齢、過剰な塩分摂取、運動不足など多くの原因が関与していますが、患者様ごとに影響の大きい要因を見極めることでより効果的な治療が可能になります。これは優先して改善する生活習慣を見つけることにも役立ちますし、作用の異なる高血圧の薬の適切な処方にも不可欠です。また、季節や環境の変化、生活習慣改善の効果などによって降圧薬の種類や量を調整していくことで、安定した血圧を保てるよう心がけています。

二次性高血圧

腎臓や内分泌の疾患が原因で起こっているなど、血圧が上昇する原因がはっきりとわかっているタイプです。原因疾患の適切な治療により、高血圧症の改善や完治が見込めますので高血圧症の初期段階でこうした病気の有無を調べることはとても重要です。高血圧症の治療を続けていてなかなか効果が出ない場合、下記の病気などにより起こっている二次性高血圧の可能性があります。当院では、こうした病気の有無についても十分に検査し、適切な治療を行っています。

原発性アルドステロン症

腎臓の上にある副腎から分泌されるアルドステロンは、ホルモンの1種で体に塩分をため込む働きをします。原発性アルドステロン症はアルドステロンの分泌が過剰になる内分泌疾患で、症状として高血圧が現れます。原因のほとんどは副腎にできた腫瘍や過形成です。副腎は左右に2つありますが、どちらかに病変があってアルドステロンの分泌過剰が起こっている場合には、その病変を取り除くことで高血圧の改善が見込めます。高血圧の治癒につながらない場合でも、薬の量を減らせるようになるなど症状軽減に役立ちます。検査で原発性アルドステロン症が疑われる場合は、手術を想定して泌尿器科と内分泌内科(高血圧内科)がそろった大学病院や基幹病院をご紹介します(当院の連携施設もしくはご希望の医療機関)。

腎血管性高血圧

腎臓は血液をろ過して尿を作る役割を担っています。腎臓は供給される血液が不足するとレニンという血圧を上げるホルモンを分泌します、腎臓につながる動脈が狭窄を起こしてレニンが過剰に分泌され、それによって高血圧の症状を起こすのが腎血管性高血圧です。狭窄を起こしている腎臓への血流をカテーテル治療によって回復させることでレニンの分泌量が減って高血圧が改善します。腎血管性高血圧が疑われる場合は、腎臓内科の充実した大学病院や基幹病院をご紹介します(当院の連携施設もしくはご希望の医療機関)。

高血圧症の予防

日常生活で注意すること

減塩

減塩塩分(ナトリウム)が過剰になると血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増え、体内の血液の全体量が増加して血圧が上昇すると考えられています。減塩により血圧が下がりやすいタイプとそうではないタイプがありますが、下がりにくいタイプでも塩分の過剰摂取を控えることが推奨されています。これは、塩分の過剰摂取が血栓のできやすさなど
にもつながるなどの理由があるからです。減塩の目標は、1日6~7g未満です。

寒暖差(ヒートショック)に注意

冬は室内外の気温差が大きいため、暖房の効いた室内から寒い戸外に出ると、血管が収縮して血圧が上昇します(ヒートショックといいます)。外出時は、帽子やマフラー、マスク、手袋など細かく温度調整できるものを身に付けるようにしましょう。また、室内でも居間とそれ以外の場所の気温差が大きいと血圧が急に上がってしまう可能性があります。冬だけでなく冷房を用いる夏場も、急激な温度変化にさらされないように気を付けましょう。冬には脱衣場やトイレなどにも小さなヒーターなどの暖房器具を準備しておきたいところです。

入浴

入浴は血圧が急激に変化を起こしやすいため注意が必要です。特に冬は脱衣時に寒気にさらさせて血圧が上がり、その後お湯に浸かるとさらに血圧が上がりますので、脱衣場や浴室を少し暖めておくようにしてください。また、お湯に浸かっている時間が長くなると血圧は下がっていき、入浴後はかなり血圧が低くなります。長湯は避け、40℃程度のお湯に5~10分程度浸かるようにしてください。入浴後はできるだけ早く衣類をつけ、靴下をはいて保温に努めてください。

トイレ

トイレトイレは血圧が上がりやすい場所です。寒さやしゃがむ動作は特に急激な血圧上昇のきっかけになります。冬、あまりトイレが冷え込むようでしたら暖房を検討してください。また、和式の便器にしゃがむよりも洋式便器に腰かける方が急激な血圧上昇を避けられます。
いきむことなどの排便習慣も血圧上昇に関わります。長くいきむと血圧が上がりやすく、痔などのリスクも上昇するため注意してください。スムーズな排便習慣を付けるためには、食物繊維や水分をたっぷりとること、早めに起床して水か牛乳を飲んでから朝食をしっかりとること、そして適度な運動を習慣づけることが重要です。腹部のマッサージも効果が見込めますが、腹部大動脈瘤など禁忌になるケースもありますので医師に相談してから行うようにしましょう。便秘がなかなか改善しない場合は、高血圧症の治療とともに治療を行うことをお勧めします。高血圧症の患者さんで便秘の強い場合は、主治医に必ず相談して下さい。

睡眠と疲労回復

疲労疲労を回復させるためには質の良い睡眠が不可欠です。夜更かしを避け、しっかり睡眠時間を確保するようにしてください。スムーズに就寝できるよう、寝る前に軽いストレッチを行う、寝室をリラックスできる環境にするなどもおすすめできます。寝不足は血圧を容易に上げてしまいます。

禁煙

喫煙すると血管が収縮して血圧が上昇します。また喫煙習慣は血流を悪化させ、血液を凝固しやすくさせるため、動脈硬化を進行させてしまいます。喫煙している期間が長くなれば、それだけ血管に対するダメージが蓄積されていきます。高血圧症をはじめとする生活習慣病の予防や進行抑制、健康寿命のことを考えるなら、できるだけ早く禁煙・卒煙することが不可欠です。当院では禁煙治療にも取り組んでいますので、お気軽にご相談下さい。

飲酒

飲酒大量の飲酒を続けていると血圧の上昇を招きますし、脳卒中や心臓病、肝臓病などのリスクが大幅に上昇します。適度な飲酒量には男女差があり、男性の場合は日本酒なら1合=180cc、ビールは中びん1本、ウイスキーの水割ならシングル2杯までで、女性はその半分です。
基礎疾患などによっては禁酒が必要になるケースもありますが、ほとんどの場合は適量を守った飲酒であれば問題ありません。ただし、少量の飲酒で顔が赤くなる方の場合などは他の疾患になるリスクが高いため注意が必要です。

肥満

肥満は高血圧をはじめとする多くの生活習慣病を引き起こす大きな原因のひとつです。また、肥満することで動くのが億劫になり、生活習慣病を悪化させやすいため解消が不可欠です。
肥満かどうかはBMIという判定基準によって判断できます。男女ともに、BMI=25以上になると肥満とされます。

肥満解消は重要ですが、過激なダイエットはかえって体調を悪化させる可能性があります。また、体質やライフスタイルに合わない減量方法を続けていると思うような効果が出ないこともよくありますし、反動が来てリバウンドしてしまう危険性もあります。適正体重には個人差がありますし、目標体重になるまでの期間を考慮し、できるだけストレスの少ない方法で行うことが重要です。当院では具体的な食事やトレーニングのメニューなど具体的なアドバイスも行っております。そして、薬物療法での肥満症対策にも取り組んでいます(食欲抑制剤のサノレックス、防風通聖散などの減量に役立つ漢方薬、糖尿病をお持ちの方であれば減量効果のあるSGLT2阻害薬やGLP-1アナログ注射などのお薬があります)。なかなか体重が落ちない方は、ぜひお気軽にご相談下さい。

運動

運動患者様の状態や体力、年齢などによって適した運動の内容や量は大きく異なるため、ご自分に適した運動を続けていくことが重要です。適度な有酸素運動は血圧を下げるためだけでなく、肥満解消、血流促進、新陳代謝の改善などにも役立ちます。呼吸が大きく乱れない程度の運動から始めるようにして下さい。

女性の高血圧と妊娠高血圧症候群

女性の高血圧で特に注意したいのは、妊娠中の高血圧である妊娠高血圧症候群です。妊婦全体の約10%弱に妊娠高血圧症候群が見られると考えられており、頻度の高い病気です。血圧をしっかりコントロールしないと胎児の健康状態に悪影響を与える可能性がありますし、お母さんの健康にもリスクがあります。妊娠前から高血圧があるケースも多く、妊娠を考えはじめた方のご相談も増えています。
妊娠高血圧症候群の場合も、高血圧のタイプや原因に合わせた的確な治療が必要です。妊娠高血圧症候群も通常の高血圧症同様に自覚症状に乏しいため、健診で指摘されて慌ててしまうこともあると思いますが、当院では赤ちゃんと母さんのために最適な治療をしっかり行っています。また、妊娠されていない場合も、その可能性を考慮して治療するなどの配慮を行っていますので、安心してお気軽にご相談下さい。

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